システム導入で失敗しないための基礎知識

システム導入
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「システム導入する担当者になってしまったけど、何をすれば良いの?」

仕事の効率化を図るためにシステムを導入する企業が増えています。販売管理や顧客管理、営業支援、会計、在庫管理、ホームページにECサイト(物販サイト)などなど、効率的に業務を行うには、システム化、IT化が特効薬なんて思い、システムを導入しますよね。でも、システム導入を失敗している会社は少なくありません。

僕の経験上、システム導入が上手くいくことは稀です。

「システム屋に頼んだら、使いにくいシステムを導入された」

「思っていたより高くついた」

なんて、システム導入に失敗している企業は本当に多いです。システム屋としてちょっと責任を感じてしまいます。その失敗の原因は、システム屋の技量もありますが、一番の原因は発注側がどんなシステムが必要なのかを伝えられないことです。

てる
てる

なんか、発注側に責任を押し付けてないかい?

ひらめ
ひらめ

システム屋は何がしたいかは判断つかないんだよ

てる
てる

だからって、何がしたいかなんて考えられないよ

ひらめ
ひらめ

だから失敗するんだよ

システム屋として約20年働き、今は発注側としてシステムの導入を行っています。そして両方を経験したことでシステム導入が上手くいかない原因が分かりました。ちょっと厳しい意見ですが、失敗しないためには発注側もシステムについて知る必要があります。

システムってよく分からないので、どんな風に発注をすれば良いかも分からないと言うのが発注する側の意見ですよね。よく分からないからシステム屋に「全部お任せ」なんて思っていると間違いなく失敗します。

だからと言って、今からシステム屋と同じ知識を持つなんてことは現実的に無理です。僕も重々承知しています。餅は餅屋ではないけど、システムはシステム屋で良いと思いますが、システム屋はシステムは組めるけど業務は知らない。なので、丸投げでは良いシステムは組めません。

これからシステムを発注しようと思っているなら、知っておいて欲しい基礎知識になります。この記事ではプログラミングの細かい技術などを省いて、システム屋と話が出来るようにシステム開発の基礎を解説します。

システムとはマニュアル

これから開発をするシステムについて簡単に説明をします。顧客管理、販売管理、経理、在庫管理などなど導入する目的は違いますが一言で「システム」って呼びますよね。そのシステムって何なんでしょうか。

システムとは、命令(プログラム)とデータの集まり

てる
てる

待て待て。よく分からんぞっ

ひらめ
ひらめ

命令とデータの集まり。以上

てる
てる

いきなり、難しいことを言うなって

ちょっと遠回りですが、システムについて解説します。

プログラムとは

システムは命令(プログラム)とデータの集まりです。取っつきにくい話になってしまうんですけど、大事なことなので、出来るだけ噛み砕いて説明します。ちょっと我慢してくださいね。

そもそもコンピュータは「偉大なるバカ」なんです。命令を与えないと何もできません。でも命令されたことは間違えることもなく、淡々と行います。

てる
てる

コンピュータって何でも出来るんじゃないの?

ひらめ
ひらめ

全部、命令している(プログラミング)んだよ

コンピュータは命令されたことしかやりません。最近流行りのAIでも、ひとつずつ判断をする基準を教え込んでいます。さらにAIの場合、コンピュータ自ら学習するようにプログラミング(命令)しています。コンピュータが判断しているように見えるけど、いちいちプログラミングをして何をすれば良いかを教えています。

コンピュータが教えたこと以外のことをしちゃうと反対に困ってしまいます。SFの映画じゃないけどコンピュータが勝手にデータを削除したり、暴走したりしたら信用ができませんよね。

てる
てる

全部? そんな訳ないじゃん。

ひらめ
ひらめ

信じられないと思うけど全部。何から何までプログラミングしているんだよ

てる
てる

そいつは大変だな

ひらめ
ひらめ

ただ命令には絶対服従だからラクなんだよ

システム屋の仕事は、コンピュータに何をどんな順番で行うかを考え、命令を書く(プログラミングを行う)ことなんです。

改めて、システムはマニュアル

システム開発とは、システムが何をどんな順番で行うかを考えることです。コンピュータが行うことがはっきりしないと命令(プログラミング)ができません。

そのためには、コンピュータを使う人間がどんな手順で業務を行うのかが必要です。

てる
てる

よく分からないんだけど

ひらめ
ひらめ

マジかっ?

システム屋は、コンピュータに何をどんな順番で処理をするかを命令するのは得意です。でも、実際に使う人(発注側)が、どう使うのかは想像するしかありません。

例えば、会計システムの場合、売上額と仕入額を入力すれば、計算結果が表示されると言うのが目的ですよね。そのデータ(売上額、仕入額)を入力するタイミングだったり、入れ方は「このタイミングで、こうやって入力してもらえれば」なんて想像でしかない。

てる
てる

普通に入力すれば良いんだろ?

ひらめ
ひらめ

その普通って誰が決めてんの?って話っ

てる
てる

ん? どこの会社でも入力してんじゃん?

ひらめ
ひらめ

じゃ作ったもんに文句言わず使えよ

システム屋は、それまでの経験や知識で一般的な入力方法やタイミングを考えてシステムを作ることは可能です。つまりシステム屋が想定した通りの手順で業務を行えば、それなりのシステムになります。それでもシステム導入で失敗する原因は、実際に行っている業務とシステムがかけ離れているから

言い換えれば、根本的な原因は現在の業務手順(マニュアル)がシステムに落とし込めていないから

要件定義のための業務手順(マニュアル)

システム導入で失敗する原因は、システムにやらせたいことがはっきりしないから。システム屋もプロなのでやりたいことが分かれば、システム構成や操作方法、入力方法を含め、提案することができます。でも、抽象的に「使いやすい顧客管理システム」なんて言われてもシステムが組めません。だって、使いやすいって判断をするのは使う人ですよね。システム屋の使いやすいと使う人の使いやすいは別です。

システムで何をするのかを決める(要件定義)には、業務がどんな手順で行われているか、システム導入でどうしたいか(To-Be)を考える必要があります。

ひらめ
ひらめ

何をしたいかを教えろ

てる
てる

そんなこと言ったってシステムで何ができるか分からないんだよ

ひらめ
ひらめ

納期と予算があれば、何でもできる。だから何をしたいかを教えろ

良いシステムを導入するためには要件定義が必須です。システム導入で失敗する原因の多くは、曖昧な要件定義にあると言っても過言ではありません。そして、要件定義(やりたいこと)をまとめるには、業務手順(マニュアル)が必要です。

しかし、今やっていることが分からないとシステム屋は手出しができません。それこそ、システム屋のエゴでシステムのために業務手順を変えることになります。今まで気にしていなかったデータを入力したり、入力するタイミングが業務手順と合わなかったり、使いにくいシステムになってしまう。

意識を合わせるためには業務手順

業務手順があれば、今どんなデータを使っているのか、今後データをどう活用するのかも判断することができますよね。さらに改善をしたい点も洗い出すことができます。なので、先ずは業務手順を作成すること。

発注する側は何ができるか分からない。そして、システム屋は何をしたいのか分からない。なので話が通じる訳がありません。話が通じないのでお互いに完成形が見えずにプロジェクトが進んでいきます。そうするとシステムが出来上がったときに発注側は「使いにくいシステムだ」とか「思っていたのと違うシステムだ」となってしまいます。

ひらめ
ひらめ

システム屋は少ない情報からシステムを作っているんだよ

てる
てる

その少ない情報からシステム化をするのがプロだろっ?

ひらめ
ひらめ

じゃ作ったシステムに文句を言うなよ

システムの発注を行うときは、何をどうしたいかを伝える必要があります。例えば「大工さんに家を建ててくれ」と話をしても家は建ちません。「二階建ての家だって」って言ってもイメージ通りの家は建ててもらえません。家を建てるときは、大工さんと言うか、設計者に細かく指示を出しますよね。「リビングは白い壁で広さはコレくらい、キッチンは対面式で〜」なんて理想の間取りだったり、壁紙まで細かく指示を出します。

なのにシステムになると出す指示が少なすぎます。それは良いシステムなんて出来ません。

てる
てる

確かに家だと知っている知識で希望を伝えられるな

ひらめ
ひらめ

システムを作る場合も情報を出せよ

てる
てる

それが業務手順ってことか

ひらめ
ひらめ

欲しいのは「要件定義」なんだよ

システム導入で失敗しないために

システム導入で失敗しないためには、どんなシステムが必要かを伝えることが必要。システムで「やりたいこと」をまとめる「要件定義」がシステム開発のキモ。システム屋は要件定義に基づいてシステムの開発を進めていきます。そのプロジェクトのバイブルである要件定義が曖昧だったり、明後日の方向を向いているとシステム導入は失敗に終わります。

てる
てる

そうは言っても要件定義なんて作ったことないしな

ひらめ
ひらめ

あるべき姿がないのに、作れって言うのは酷だよ

てる
てる

何となく言っていることは分かったわ

要件定義(やりたいこと)をまとめるには、業務手順が必要

システムを導入する理由は効率化、合理化だと思います。システムをどうやって使いたいかを発注側が決める必要があります。システムのためにデータを入力するなど、システムを導入する前より手順が増えてしまうなんて本末転倒なことが起きてしまいます。

システム屋は効率化を考えるのはプロです。しかし、業務手順は会社によって千差万別です。なのでシステムの導入を行う場合は、業務手順を用意し、システム屋としっかりと意識合わせを行う必要があります。

この記事ではシステム導入の基礎知識として、要件定義の重要性について解説しました。そして要件定義を作るためには、業務手順が必要。ただ業務手順が用意されていない会社が多いのも事実です。遠回りのように感じますが、まずは業務の洗い出しから始めてみてください。

システム導入

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