今では業務をITシステム化して業務の効率化、合理化を行うのが当たり前になってきました。企業のIT化は本業と同じくらい重要な課題となっています。ITシステムの重要性は、コスト削減や情報共有のためにコンピュータを使っていた時代より大きくなってきています。
猫も杓子もシステムって騒いでる
とりあえず、システム導入すれば効率化が進む
そんな訳ないよ
ただ一方でシステムやコンピュータに理解が薄いため、システム化の目的、あるべき姿(To-Be)が定まらず、システム導入を失敗するケースが多いのが事実です。
そもそもシステム、コンピュータとは何ができるのでしょうか。市販されているパッケージソフトやシステム屋が提案してくるシステムを使用することで問題ないのでしょうか。システムとは何かをイメージできないと良いシステムの導入が失敗に終わります。
漠然としたイメージはあるんだけど、改めて聞かれるとよく分からないのがシステムですよね。この記事を読んでシステムの全体像のイメージを掴んで頂ければ幸いです。
システム? コンピュータ?
業務改善、効率化を求めてシステムを導入しようと考えたとき、システムの話はシステム屋に任せるなんて思っていると導入プロジェクトは失敗に終わります。だからと言って、システム屋の小難しい話を全て理解するのは難しいですよね。
発注者とシステム屋ではシステムに対する知識の差があって当然です。だからと言って何も知らないでシステム屋の言いなりになってしまっては、使いにくいシステム、最悪、使えないシステムを納入され、高額な費用を請求されてしまいます。そうならないためにも、ある程度の知識が必要になります。
ある程度、勉強しないといけないんだな
知らないものに、よく金を出せるよ
システム屋の話が難しいんだよ
システム以前にコンピュータを知らなすぎる
システム屋の話を理解するためには、多少なりともコンピュータ、システムの知識を知りましょう。まずはシステムとあなたを繋ぐ「パソコンとは何?」と言うことから解説をしていきます。
パソコンは道具箱
ちょっとシステムの話から外れてしまいますが、ちょっとお付き合いください。今、パソコンがなければ業務が行えないなんてことはありませんか。僕の感覚では、1990年頃から一般的な企業や家庭にパソコンが普及し、一気に生活、業務が変わりました。そして今ではパソコンがないと社内業務が回らないくらいに当たり前になってしまいました。
パソコンって便利だよな
便利なのはアプリだよ
パソコンって便利だよな
パソコンなんて何もできないんだよ
まず、システム屋と話が合わないのは、パソコンに対する考え方が違うからです。普通の人は「パソコンは何でもできる。夢の装置」だと思いますよね。でも、パソコンを含むコンピュータは何もできません。システム屋の知識では、パソコンはタダの箱、入れ物です。
「コンピュータは偉大なるバカ」
パソコンは何もできません。ソフトウェア、アプリケーション、システムと色々な呼び方をするプログラムがあるから便利に使える道具のように感じられます。例えるなら、ソフトウェアが道具でパソコンはその道具を入れている箱なんです。道具を入れている道具箱が便利とは言いませんよね。
大事なのはプログラム
コンピュータは命令を与えないと何もできません。パソコンもスマホもそうですが、そこに入っているアプリケーションと呼ばれるプログラム(命令)があるから便利に使うことが出来るのです。電源を入れて画面を表示するのも全てプログラミングされています。
プログラミングとは、コンピュータに何をどんな順番で処理させるかを命令したもので、コンピュータのマニュアル、手順書のことです。パソコンは、その手順書(プログラム)通りに動いているだけなんです。
なんか、難しい話になってきたな
いやいや、難しくないじゃん
難しいわっ
例えば、パソコンで表計算を行う「Excel」は表計算を行うためのソフトウェアです。業務を行なっていると使ったことが多いソフトだと思います。入力した数字(データ)を計算するのが目的のソフトウェアで一気に積算が出来たり便利ですよね。でも、そのExcelがなかったら表計算は行えません。
インターネットを閲覧するにもブラウザと呼ばれるアプリケーション(Edge、Chorme、Safariなど)が必要です。
パソコン自体には、表計算をしたり、インターネットを閲覧したりする機能はありません。
パソコンとソフトを分けて考えるんだよ
そうか、パソコンって色々なソフトが入っているから便利なんだな
そう。便利なのはプログラム(ソフト)が入っているから
そのソフトウェアとか、アプリケーション、システムとか呼ばれているのは「プログラムの集まり」。言い換えると便利な「道具」なのはプログラムの集まりであるソフトウェア。
「パソコンが便利」だと言われますが、パソコン自体は何も出来ません。便利なのは、パソコンの中にあるプログラムが便利が正解です。パソコンは一気に普及をしてしまい『ハード(機械本体)とソフト(プログラム)は別』と言う認識が広まっていません。システム屋は、ソフト開発を行なっているので感覚的に分けて考えていますが、一般的な人はハードとソフトを分けて考えていません。なので、システム屋と話が合わないんですね。
システム開発は道具の開発
遠回りをしてしまいましたが、システムはパソコン(コンピュータ)の中で動くプログラムの集まりです。言い換えると、パソコンで何かをするために必要な機能をプログラミングしたものがシステム。
なんとなくはイメージがついたわ
プログラミング次第で何でもできるんだよ
そこで問題です。今から導入を考えているシステムは何をするシステムでしょうか。
システム屋に開発を発注するシステムは、コンピュータ(パソコン)の中で動かす道具です。その道具は、誰がどうやって使いますか。
やりたいことを教えてくれ
便利な道具(システム)でも使い方や使う人によっては使えない道具になってしまいますよね。システム屋は開発を請け負うときに「何がやりたいんでしょうか」と質問をすることが多いと思います。発注側は曖昧な目的しか伝えられていません。システム屋に丸投げしてシステム導入が失敗する原因は、ここにあります。
発注側の要望に合わせて、システム屋は、道具(システム)を作ります。しかし、発注側がシステム屋に使う目的や使い方を伝えられないのがシステム導入で失敗する原因。
ITシステム開発とは
ITシステム開発とは、パソコンの中で動く道具(プログラム)を作ることです。システム屋もそれまでの経験や知識で発注側が欲しがっているシステムの概要は想像ができます。ですが、社内の業務は企業によって、千差万別です。あなたの会社の普通は普通ではありません。
システムを作るときのプログラミングとは、コンピュータがどうやって動くかの手順書を作ることですが、その手順書を変えるのは簡単なことではありません。なのでシステム屋は開発前に「何がやりたいのですか?」「どうやって使うんですか?」と質問をするんです。
システム屋に任せれば良いと思っていたけど、そうじゃないんだな
本来なら道具を使う発注側が「こんなシステムが欲しい」と考える必要がありますよね。システムが難しいから、システム屋に丸投げでは、システム屋が思う「良いシステム」になってしまいます。
システム開発とは、あなたが使いたいシステムを開発するのであって、システム屋が作りたいものを開発する訳ではありませんよね。システム屋に任せるのであれば、システムに合わせて業務手順を変更しなければなりません。
金と時間をくれれば、何でも作る
ITシステムの開発は、発注側の協力が必要になります。システム開発を行う場合は、システムで何をしたいのか、どんなことをするシステムなのかを考える必要があります。それはシステム屋が行うのではなく、発注側で行うものですよね。
システムは、人間がパソコンで行う作業を効率化する道具です。ITシステム導入を成功させるためには、使う道具の目的、使い方を考える必要があります。
その工程を「要件定義」と呼びます。システム屋に開発を依頼、見積をとる前に「要件定義」を行うことでシステム導入が成功する確率がグッと高くなります。
要件定義については以下の記事で解説しています。興味があれば読んでみてくださいね。
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